りつこ
堺本店 昨日文庫 りつこ

今日を頑張り、明日を期待し、歩んで来たこれまでの人生
ようやっとここまできた今、過ぎた日のことがどうにも気になります。
自分が歩いた道の脇にあったはずのモノ、自分の足が踏みつけてしまったモノ、忘れてしまったコト、遠くにいったひとのこと。
記憶を探りゆるり向き合い、さぁ、これからの生き方を、さてどうしましょうか…。

HONBAKO堺本店のすぐ近くで、お出汁の美味しいごはん処を営んでいます。
本店にお越しの際は是非お立ち寄りいただけたら幸いです。とPRも忘れずに(笑)

名刺代わりの10冊

  • すべての白いものたちの /ハン・ガン
  • 少年が来る /ハン・ガン
  • 別れを告げない /ハン・ガン
  • 空と風と星と詩 /尹東柱
  • 倚りかからず /茨木のり子
  • 新しい人よ眼ざめよ /大江健三郎
  • 春の雪 /三島由紀夫
  • けものたちは故郷をめざす /安部公房
  • コンビニ人間 /村田 沙耶香
  • 西の魔女が死んだ /梨木香歩
  • いちご同盟 /三田誠広

『スイマーズ』ジュリー・オオツカ

幼い記憶に残る街並みは、少しずつ変化して、何十年も経つと元の形のひとかけらも残っていない。あったはずの家々や、人々、営み、それらを覆い、上書きされた町に生きている。もう亡くなってしまったあの家のひと、錆びついた門、干からびた植木鉢。…ふと、色がさす。わらわらと町が起き上がり、幼い自分がそこにいる。私の母は認知症を患い、しばしば幻視や妄想に悩まされました。亡くなってしまった大切なひととお茶を飲み、忙しくてなかなか会えない孫娘と一緒にお風呂に入り、湯舟につかる彼女のほっぺたが本当に綺麗なピンク色だったと微笑んだ母のあれは、母にとっての紛れもない現実だった。願ったものを見、願わないものに怯え、たっ...

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コメント 4件

  1. ここすこ文庫 やまさきせつこ 2025.11.23

    いつかはすべて忘れてしまい、いつかは跡形もなくなってしまうのなら、私たちは何のために生まれ、懸命に生きるのか。 そんな考えても仕方のない問いが時々、こころに浮かんでは消えていきます。 そんな時「誰のものとも判別不能な真実や生きた証が何層にも織重なるように溶け合って、明日の世界を支えるのなら、私なりに精一杯生きてみたい」とも思うのです。先人たちがそうしてくれたように。 りつこさんの記事の最後の一文を読んで、時折、自分の中に生じる その感覚を思い起こしました。

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    1. 昨日文庫 りつこ 2025.11.27

      自分より先を行く誰かがいてくれるから、重く不安な一歩を踏み出せるのでしょうね。 プールの端から端まで、同じコースを何度も何度も泳ぐスイマーたち。 人生のようだと思いました。

      返信
  2. 空 白 書 店 オカザキasachangトモコ 2025.11.23

    生き物が生きて死してなお、その肉は食らったものの命をつなぎ、皮はなめしたものの体を温めそのものが生きた意味をなす。命は消えずつながり、また次の命となる。 あなたは私。私はあなた。 愛おしいと抱きしめてくれてありがとう。

    返信
    1. 昨日文庫 りつこ 2025.11.27

      愛おしいと、泣いてくれてありがとう。 純然たる愛がここにあると思える人生を、 ありがとう。

      返信

『ギリシャ語の時間』 ハン・ガン

ときどき、不思議に感じませんか。私たちの体にまぶたと唇があるということを。それが、ときには外から封じられたり中から固く閉ざされたりもするということを。私が「中動態」という概念を知ったのは、この、ハン・ガンの『ギリシャ語の […]

傾斜

歳をとるのは素敵なことですそうじゃないですか?忘れっぽいのは素敵なことです そうじゃないですか?悲しい記憶の数ばかり飽和の量より増えたなら忘れるよりほかないじゃありませんかと歌ったのは中島みゆき。高校生の頃、お小遣いをた […]

『菜食主義者』 ハン・ガン

暴力に抗うことすらできずに、その力の及ばざる場所でそれでもなお生きようとした時、究極、人は植物になるのやも。生きることそのものの「原罪」を問われているようだ。この身体に、何がしかの生命が犠牲になって注がれるおぞましさ。ひ […]

利他のフィルター

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はとぶえ

いつの頃からか自覚している。思考に段落をつけるように常に頭の中で文章化する癖。ああ。そういえば。あの、はとぶえ(※)コンクール。「よる」よるわたしがねているとおとうさんとおかあさんがかわいいかわいいといってふとんをかけま […]