やまさきせつこ
堺本店 ここすこ文庫 やまさきせつこ

堺本店で ここすこ文庫 の箱主をしています。おもにケアに関する本と趣味の本を置いています。
大阪府堺市で対人援助職のための相談所Big Beansの代表をしています。
長年、精神科で作業療法士として働いていました。まちの保健室的な活動がしたくて、HONBAKOのお店番で皆さんのちょっとした気がかりをお聞きするような活動を継続しています。
HONBAKOのお店番やビブリオトーク茶会(読書会)、ワークショップなどもしていますので、皆さんとリアルでもお会いしてお話できるのを楽しみにしてます。

名刺代わりの10冊

  • ✳︎ケアの本質 ミルトン・メイヤロフ
  • ✳︎精霊の守り人 上橋奈緒子
  • ✳︎世界の終わりとハードボイルドワンダーランド 村上春樹
  • ✳︎錦秋 宮本輝
  • ✳︎ラブレター 岩井俊二
  • ✳︎ラスト・クリスマス: 15歳・愛と生命のメモリー マリ ブラディ
  • ✳︎あなたの話はなぜ「通じない」のか 山田ズーニー
  • ✳︎援助者の援助 村田久行
  • ✳︎まずはケアの話から始めよう 山崎勢津子

ケアのバトン ~その3 「分からない」って言ってもいいですか~


 どうしても私たちは「予測できる」という前提で相手と関わってしまいがちです。「思い」が「支配」になりやすいのです。利他的な行動をとる時には、とくにそのことに気をつける必要があります。
 そのためにできることは、相手の言葉や反応に対して、真摯に耳を傾け、「聞く」こと以外にないでしょう。知ったつもりにならないこと。自分との違いを意識すること。利他とは、私たちが思うよりも、ずっと受け身なことなのかもしれません。                    
-「利他」とは何か 伊藤亜紗※1

★簡単には分からない
 「幻聴の苦しみを訴える患者さんに『分かります』と言えなくて。どう答えたらいいですか」
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コメント 6件

  1. 昨日文庫 りつこ 2025.09.29

    確かにそう。本当そうですよね。 例えば自分の子供が相手なら、その先の邪念までくっついてくるのでついつい色々言ってしまいがちです。 そういう時に少し違う相手から余裕のある反応をもらえると子供は落ち着くものです。 ケアの現場に携わる方だけではなく、家庭や職場でもこのような意識が自然にできてくると良いですね。 利他というと「与えるもの」となりがちで、それはちょっとハードルが高い。けれど「受けとめる」ならこちらの心持ちさえ整えばいつでも可能です。 心がけていたいと思います。

    1. ここすこ文庫 やまさきせつこ 2025.09.30

      りつこさん、ありがとうございます 心持ちを整える…素敵な言葉ですね♪

  2. ことのは書店 なんなん 2025.09.29

    「利他」 最近、気になるキーワードのひとつ。 以前はなんとなく「他者のための自己犠牲」的なイメージがありましたが、それがいかに傲慢な考え方か、と感じるようになりました。 人が向き合う時に、相手の話を聞いて心を寄せる、(それはきっと、発せられる言葉だけではなく)、想像力とこちらの思考に余白が必要なんですね… あぁ、振り返ると反省するべきことがたくさん。 子育て期に「も」せつこさんに出会いたかったなぁw

    1. ここすこ文庫 やまさきせつこ 2025.09.30

      たしかに最近、よく聞くようになりましたよね、利他。 私たちは「良かれと思って」いろいろなことをついし過ぎてしまいますよね。 そうすると、何をしてあげるかばかりが先走って、余白が失われてしまうのかもしれませんね。

  3. ぼくも書店 まきたこういち 2025.09.30

    HONBAKOをやってなかったら、素通りしてたであろう視点や感情、人生がたくさんあって、ともすれば「自分は大丈夫、やれてる」と思ってしまえるような、でも実はとっても繊細で、捉えるのが難しいこと。 やまさきさんはじめ、箱主さん皆さんにたくさん教えてもらってて、それがこのsalonを立ち上げようと思った理由のひとつです。 移り変わりばかり速くなって、そういった視点はどんどん浅くなってって、立ち止まることがグズのようになってるなかで、「そうじゃないよな」て毅然と言える強さみたいなやつを、ここで身につけたいと思ってるし、ちょっとでも拡げていけたらと思っています。

    1. ここすこ文庫 やまさきせつこ 2025.10.02

      まきたさん、コメントありがとうございます。 つくづく自分の見ている世界は、自分がつくっているのだなぁと思います。 関心が向いている方向だけが見えていて、それ以外のものは背景化している。 すべてを認知、認識できるほど、私たちのキャパはないし すべてを認知、認識したいと思うことも、できると思うことも傲慢でしかなく…。 でもね、時々、この「わたし」と「あなた」が見ている景色や世界がちがうということに 私は深く救われることがあります。 だから、「わたし」と「あなた」は一緒にいるんだ、と。 このSalonがそういう「わたし」と「あなた」の邂逅の場となれば、とても素敵ですよね。

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